私は、小さいですが、畑仕事もしています。その中で土を作ること、土が生きていることが大切だと分かってきました。
土壌が生命を支える基盤であるということ。
土壌がCO₂を吸収して炭素を蓄えることは、地球温暖化を抑えるうえで重要な手段の一つ”土壌酸素貯留”CO₂を減らすだけではなく、土壌に炭素を戻ることが自然の法則。
気候変動を抑えるために、私たちはこれまで「CO₂をいかに排出しないか」という視点を中心に考えてきたと思います。
もちろん、化石燃料の使用などによる温室効果ガスの排出を減らすことは最も重要です。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)も、気候変動を抑えるためには温室効果ガスの排出を大幅に削減し、最終的にネットゼロへ近づけていく必要があるとしています。
しかし、もう一つ重要な視点があります。
それは、
「大気中のCO₂をどう減らすか」ではなく、「CO₂をもう一度、土や植物の中へ戻していく」という自然の法則を整えること。
植物は光合成によって大気中のCO₂を取り込み、その炭素の一部を根や落ち葉、微生物などを通して土壌へ移します。
土壌に入った有機物は微生物によって分解されながら、一部が土壌有機物となり、炭素として蓄えられていきます。
つまり、
大気中のCO₂
↓
植物の光合成
↓
根・落ち葉・有機物
↓
土壌微生物
↓
土壌有機炭素として蓄積
という自然循環をつくることができます。
土壌は、地球上の非常に大きな炭素貯蔵庫なんです。
FAO(によれば、土壌有機炭素は土壌の健康や生産性、水分保持、栄養循環などに深く関係しており、土壌は大気や植生と並ぶ重要な炭素貯蔵場所としています。
だからこそ、「土壌を健康にすること」と「気候変動を抑えること」は、別々の問題ではないということ。
健康な土壌をつくるためには、土壌中の有機物を増やし、微生物が活動できる環境を整えることが重要なんです。
例えば、
・堆肥などの有機物を適切に戻す
・作物の根をできるだけ土壌に残す
・裸地を減らし、被覆作物などで土壌を覆う
・輪作や多様な植物を取り入れる
・過度な耕起を減らす
・土壌の水分環境を適切に保つ
・化学肥料や農薬に過度に依存しない
・森林、草地、湿地などの土壌を守る
といった方法があるとおもいます。
FAOでは、土壌被覆、堆肥、作物の多様化、減耕起などを土壌炭素の維持・増加につながる管理方法として挙げています。そして、土壌が健康になると、単純にCO₂を蓄えるだけではありません。有機物の多い土壌は水分や養分を保持しやすくなり、土壌生物の多様性や植物の生育を支えることができます。結果として、干ばつや大雨などの気候変動に対する農地や生態系の「強さ」も高められる可能性があると言っています。
つまり、
CO₂排出を減らす
+
植物によるCO₂吸収を増やす
+
土壌に炭素を蓄える
+
土壌の生物多様性を高める
+
水や栄養を保持できる健康な土壌をつくる
という循環をつくることが重要ですね。
しかし、土壌に蓄えられた炭素は永久に固定されるわけではないようです。土壌有機物は分解され、再びCO₂として大気に戻ることがあり、土壌炭素の蓄積速度や持続性は、気候、土壌の種類、植物、土地利用、管理方法によって大きく異なります。
FAO(国際連合食糧農業機関)も、土壌炭素の貯留はゆっくり進む一方で、可逆的なプロセスであり、長期的な管理が必要だとしています。
「土壌に炭素を入れれば温暖化が解決する」ということではなく。。。
本当に重要なのは、
排出するCO2を減らす事と、自然がもっているCO2の吸収・貯留能力を高めることを同時進行すること。
その一つの鍵になるのが「土壌」です。
土壌は、単なる植物を育てるための「地面」ではありません。
そこには微生物がいて、根があり、水が動き、炭素が循環しています。
土壌を健康にすることは、植物を健康にすること。
植物を健康にすることは、生態系を健康にすること。
そして、その循環を取り戻すことが、大気中のCO₂を減らし、気候変動への適応力を高めることにもつながります。
気候変動対策は、「何を排出しないか」だけではなく。。。
“自然が本来持っている力を、どう取り戻し整えるか”
という視点も必要だと思います。
CO₂を減らす。
そして、土壌に炭素を戻す。
さらに、土壌を健康にする。
その循環を、農業、森林、地域社会、そして私たちの日常生活の中に少しずつ取り戻していく。
私が畑をしていく中で学ぶことの1つに、
地球環境を守ることと、土を健康にすることと、私たち生物が健康で生きることとは、同じ方向を向いているということが分かってきました。
小さな畑であっても、自然の摂理に沿って植物を育て、土を育てていく。
そこには、すべての生命が循環の中でつながっているという、大自然の仕組みがあります。
そして私は、その畑仕事を通して、人の身体もまた同じなのではないかと学ばせてもらっています。
身体も、一部分だけを見て整えるのではなく、食事、睡眠、運動、心、腸内環境、血液循環など、全体の循環を整えていく。
土壌を健康にすると植物が育つ。
植物が育つと生態系が育つ。
そして、人もまた、身体の中の循環が整うことで、本来持っている力を発揮できる。
畑は小さくても、そこから学べる自然の摂理は、とても大きい。
私は、畑仕事から人の身体の診方を学ばせてもらっています。
生命を支える基盤”土壌”に
感謝。
